ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

日々の掌編

今年は集中的な大雨で川が増水して農作物にも小さくない被害が及んだらしい。自分も現に、河原に沿って整然と並ぶ長芋の畑が水中にその姿を消した様を目にしている。その被害に関係しているのかどうか分からないが、毎年恒例の野焼きの煙が例年よりも多いように感じる。実際のことはなにも知らないが、自棄のように立ち上る煙を見るといつもとはまたちがう物悲しさが勝手に胸に湧いてくる。

 

職場になにかにつけて「これってこれでいいんだっけ?」と聞いてくるおばさんがいる。自分より長くその仕事をしているはずなのに自分にも聞いてくるし、ほかの人にも聞いて回る。おそらくミスをした際のリスクを分散したいんじゃないかと思う。リスクを最低限にしたいので、不安なものはとっておいて後で責任者に尋ねるという徹底ぶりである。自分が「こういう処理で合ってます」と言っても「とりあえず聞いてみてからやろう」と言って聞かない。

 

職場に花の種類を細かく分けたがるおばさんがいる。同じ品種なのに特徴ごとに分類して別々にしたがるのだ。自分が「一緒です。個性です。」と言っても信じない。しかも2種類に分類されているその束を見比べてみると確かに分けられているから侮れない。しかし自分の言うことも少しは信用してもらいたい。