藁
このばあさん、アホだな。バイトの子を連れてくれば俺が言うこと聞くようになると思ったんだろうな。
「ほら、私たちで藁下ろすから、ご苦労さん」
俺はばあさんの戯言を無視して藁を投げ捨てていく。
「そんな風に投げたって仕方ないんだから。」
俺が下ろした藁をばあさんは拾い集めるが、俺は藁を投げ捨て続ける。拾い集めることに何の意味があるのだろうか。バイトの子は戸惑っている。
「どいてよ。下ろすから。」
という俺の言葉をばあさんは無視する。怒られるといつもこうだ。俺はばあさんの尻に藁を投げつけても無視するのかどうかだんだん気になってきたので、実行してみた。結果ばあさんはそれでも無視を決め込んでいた。
俺は時折ばあさんの尻に命中させながら、藁の束を全部下ろしきった。
「ご苦労さん。あとはもういいから。ありがと。」
というばあさんの言葉を無視し、俺は残りの藁を積みに車を発進させた。