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ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

葬式饅頭

俺は共犯者を待っている。厳密に言うと俺が待っているのは首謀者で、俺が共犯者なのだろうか。とにかくそいつの指示を受けて俺は待っている。山のふもとの小さな市営住宅地、老女が1人で暮らす小屋のようなその家の脇の車を停め、首謀者が来るのを待っているのだ。戻って来る気配がしたらすぐエンジンをかけ、ドアを開けて乗せて逃げる段取りになっている。さながら宝石店でも襲っているようでそわそわする。

ここに棲む老女の気持ちも分かるが、こちらにもこちらの正義がある。厳密に言うと俺の正義ではないのだが、俺はこの共犯者という立場には抵抗はない。ひょっとすると共犯者という立場を楽しむことにより、結果として俺が肯定する正義から目を逸らしているのかもしれない。だがもしそうだとしても誰にとって問題が生じるというのだろうか。どちらにも正義があることが確定しているこの状況で、俺の最善の選択肢は第三者として状況を楽しむことだとしか、今の俺には思えない。