ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

正義

自分の人生には瑣末なトラウマが沢山あるのだが、中学時代にもちょっとしたトラウマが複数ある。そのうちの1つに掃除の時間の出来事がある。

率直に言ってエピソードというほどのものでもないのだが、自分はふつうにまじめに掃除しているのにサボっている女子がいて、看過できずに注意したという話だ。

当時の自分は今以上に引っ込み思案で、コミュニケーションが苦手だった。しかし女子への怒りが勝り、注意するに至ったのだが当たり前のように声がちゃんと出なかった。あと口調もぎこちなく、注意された側も困惑していた。

その後その女子はちゃんと掃除をしてくれていたが、この出来事は自分の中で明確にトラウマとして記録された。その日のうちにすでに「なんであんな事言ったんだろう」という逡巡が止まらなかった。注意する前の時点でも、注意している最中も、「自分がそんなキャラじゃない」という思いは脳内をめぐり続けていたのだ。

おそらくだが、「サボっている人間を注意する」という行為は間違った行為では無いと思う。当時の自分もきっとその正しさを信用してそういう行動に出たんじゃ無いかと思うが、しかし結果は残念なものだ。学校の掃除なんて自分には関係ないことなのに、そのために自分は恥をかいた、と当時は感じただけだった。