ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

人のせいにするな

自分は責任転嫁が大好きな人間なんですが、その要因の1つに幼少期の教育があったと思います。自分は物心つくかつかないかの頃から親、特に母親から「人のせいにするな」と口酸っぱく言われてきました。自分はなぜかと考えるまでもなく「人のせいにする」ことを悪いことだと教え込まれ、それを自明の理として幼少期を過ごしてきました。しかし子供の頃は友達関係においても理不尽なことが多く、実際に「人のせい」なことも頻繁にあったのですが、それを親に相談したりすることは「人のせいにする」ことでありルール違反です。そしてうっかり人のせいにしてしまった際には、その都度ちゃんと親から「人のせいにするな」という訓示を授かり続けてきました。

しかし自分にも人並みに反抗期は訪れるわけであり、そうなった時に過剰な「人のせい」論に矛先が向かわないわけもなく、自分はその理論を悪用するようになりました。

「人のせい」論は逆手にとってみれば万能で、「人のせいにする」ことが絶対悪である限り(少なくともそう教え込まれた自分にとっては)「俺に「人のせいにするな」と言っている人間は俺のせいにしている。したがってその行為自体が「人のせいにする」行為であり、そんな不届きな人間の言うことは聞くに値しない」という暴論が成立してしまい、反抗期の自分はすっかり「人のせい」論原理主義の過激派に成り果ててしまいました。

結局「人のせいにする」ことが絶対悪だなんてことはなく、その理屈の論拠は「自分の母親に言い聞かされた」ということだけです。こんな風に言うとまともな人は「母親のせいにしている」と思うのでしょうか。原理主義過激派の自分には客観的な判断ができません。