ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

今日の見た夢

記念だし、こんなとこもう来ることもないだろうから記念になんか買っていってやろうと思ったのに、なんなんだこの強気の値段設定は。思い出の危険とはいえ手が出ないぞ。手造り雑貨ってもっと手の届く値段のイメージを勝手に持ってたけど、下手なブランド物より高いじゃないか。ちょっと売り場を移動してみよう。もしかしたらここはなんかしらの特別なコーナーなのかもしれない。

えっとここは、漫画コーナーだろうか。でもこれは、なんか私物っぽい気がする。ということは、売り場はあそこだけということか。これはどうしたことだろう。さっきの場所に戻ったらもうなにか買わないと。使うものならまだしも、全部安くてもいらないんだよな。

「これ、どうですか!スマホスタンド!」

「え、どれ?そんなのあった?」

「これ!」

彼女が手に持っているのは、確かに黒くて変わった形をしたスマホスタンドだった。さりげなく値段を見てみて驚いたが、値段もかなり妥当だ。もうこれを買おうとは決まっていたかど、一応どういう意匠なのか聞くと、思っていた以上に長々と説明してくれた。

「また近所に来たら寄るね」

「待ってますよー」

と、軽い挨拶を交わし店を出る。ごちゃごちゃした住宅街の一角はもうすっかり暗くなっていた。彼女はわざわざ外までお見送りに来てくれ、見えなくなるまで手を振っていた。