ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

つまらない本

今まで自分はそんなに多くの本を読んでいない。読みたい本はいくつもあるのだけど、読んだ本がつまらなかった時の徒労感がトラウマのようになっていてポジティブな気持ちで本を読みはじめられない事がそれほど読んでいない理由の一つなんじゃないかと自分で思う。そのトラウマを植え付けた本を二つ書き留めておこうと思う。

一つ目は中学生の頃に読んだ「探偵ガリレオ」みたいな名前の本だ。作者は当時から勢いのあった東野圭吾。話題の作家ということもあって知的好奇心の有り余っていた当時の自分はワクワクしながら読んでいた。が、結果としてはつまらなすぎて最後まで読めなかった。科学の知識を活かして推理する。みたいな話だったが、トリック云々の前に話が面白く無かった。主人公の天才もなんだか面白みのない人間だったような気がするし、とにかく読み進めるのが苦痛だった。お小遣いから定価で買ったにも関わらず、最後まで読むことすらできなかった。

二つ目は高校生の頃に読んだ「アルジャーノンに花束を」。当時SFに興味を持ちはじめていて、三つ目くらいに読んだSFがそれだった。これは最後まで読めたのだが、読後感は単純にイライラした感じだった。自分の読解力が足りなかったのかもしれないけど、結局「天才になると愚民どもはバカに見えるけど、女の体だけは最高だぜ」みたいな話だったように、当時の自分は感じた。まあその主張は一理あるとも思うけど、偉そうに言われるとどんな主張も腹がたつものじゃないだろうか。

結果として自分は、主人公が天才の話をバカが書いたものが嫌いなんだと思う。物語を紡ぐのは自由だが、自分のキャパを理解せずに語るのはみっともないものだ。これ以上知的好奇心にトラウマを植え付けないためにも、これからの作家さんたちには自分の手に負えない話は最初から書こうとしないで欲しい。自信はないけど、その教訓は自分の日記にも反映されてるんじゃないだろうか。しかし作家のそういう側面に拒否反応を示すことが同族嫌悪のような気も、実は少しする。