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ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

掌に太陽

今日はついに150度まで平気になった。人間の身体というものは実によくできている。こうして訓練することで、耐えられる熱の量は少しずつだが上昇していくのだ。私は来たる刻に備え、最大限の温度で耐えられるように掌を鍛え続け、ついにここまで来た。こういった訓練において一番の心得は、無理は禁物だということだろう。無理をして負傷してしまったら、備えるどころか自分で息の根を留めることになってしまう。ことは慎重に進めるに限る。日進月歩だ。私がこうして最大の記録を達成したことがその証左である。この調子で進めば確実に人類で一番頑丈な掌になるだろう。たかが掌と思う人がいるかもしれないが、そのような人間は得てして何も成し遂げていないものだ。気にするに値はしない。見た目には普通の掌と変わりないが、常人にはない機能を兼ね備えている。その事実を掌を見ながら感じるだけでも私ほ無上のカタルシスを感じる。例え人体の限界温度に漸近していっているにせよ、耐熱性は確実に上がっていっているのだ。その事実が私の目に映る限り、このライフワークを止める訳にはいかない。この機能はもしかしたら一生役に立たないかもしれないということは最初から判っている。しかし、もし役に立つときが訪れた場合に生き残るのは私のみだ。それもまた確実なことであろう。そんな事実を掌を眺めつつ感じるだけで、明日も頑張ろうという決意が私の中にふつふつと湧いてくるのだ。