ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

カルママン

主役が現れれば脇役になれるのに。主役を張れる役者を見たことがない。俺の生活圏内に現れたことがない。自分は諸事情で主役を張るには条件が足りてないけど、主役がいないから仕方なくじたばたしたりしている。主役さえ現れれば心置き無く脇に徹することができる。主役の条件が必ずしもイケメンというわけではないことは短い人生でも理解しているが、イケメンなら主役ぶりやすいことも死ぬほど実感している。「見てくれなんて気にしなきゃいいのに」という感じで接してくるのは大抵美男美女だ。イケメン以外で主役を張るなら恥知らずなバイタリティが必要になる。そういうものは大抵は内在的なものでも外在的なものでも、出生に起因しているように思える。それは先祖から意思の有無に関わらず受け継がれてきた性質であり、それを業と言い換えることもできると思う。

俺は「自分を主役と思い込む能力」も無ければ「主役とかじゃない個人として生きる能力」も欠如しているんじゃないかと思う時がある。俺が楽に力をそれなりに抜いて生きていくには、やはり強烈な主役の出現が望ましい。