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ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

陳腐

随想

雪の中、人が全く通ってないから雪が踏み固められてもないような歩道で棒立ちして空を見上げている老人がいた。自分の祖父も死ぬ2年前くらいからはそんなような雰囲気だったので、似たものを感じた。老人は手ぶらだったが、身なりからして浮浪者のような感じではなく、面倒をみてくれる人もいそうな雰囲気だった。浮浪者にもその人が歩んできた人生はあったとは思うが、俺には想像もつかない。その点その老人はそれなりの人生を歩んできて、親族や昔の職場の仲間なんかが彼がただの道で上の空の老人じゃないことを知っているのだろうと思う。しかし俺の目にはただのぼーっとした老人にしか見えないし、それが悪いことだとか悲しいこと、情けないことだとは思わない。俺もあんな感じになるんじゃないかと思う。なれたら上等だとも思う。しかしなりたくないとも思う。しかしなりたくないと思っても、そうならざるを得なくなるんじゃないかとも思う。もしそうなったとしたら、それはそれで上等なんじゃないかとも思う。