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ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

ゆーめ

道に迷ってしまった。車でちょっと知らない道に入ったら、どんどん幅員が狭くなっていって、引き返すのも面倒くさいくらいに狭くなってしまった。広い道へ出ようとするほど狭くなっていく印象を受けた。まるでもがくほど苦しくなっていくアレのようだ。道が狭くなるにつれて整備も行き届いてない道になっていき、民家と民家の間が狭くなるにつれて塀も増え、下手な運転をしようものなら塀のやすりで車が粉になってしまう。

整備が行き届いていないというのはなにも路面や区画の問題だけでなく、塀の影で溶けずに残った雪もまた俺の恐怖心を煽る。俺の運転が完璧でも、雪のせいで車に傷がつく可能性があるということだ。とにかく早く広い道に出なければならない。

そうやって焦りながらノロノロ進んでいくと少し民家が減ってスッキリしてきた。見渡した感じ広い道もなんとなくありそうだ。標識なんかも増えてきた気がする。この狭いカーブを曲がりきれば、少しはマシな道に出そうなんじゃないか。なかなか神経すり減る感じの曲がり道だが、集中力を途切れさせなければ曲がりきれないことはないだろう。

俺が歯を食いしばりながら道を曲がっている途中で、下校途中の男女が向こう側から歩いてきた。女の子は素朴で可愛く、男の子は真面目そうだ。クソ田舎に生まれた縁で仲良くなって、いつか結婚したりするのだろうか。「こいつらに死んで欲しいと思う俺、死なないかなあ。」と心で思いながら車を停め、俺は二人を通らせてあげた。