ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

みかなみ

皆神山は自分の大好きな山だ。皆神山は周囲の山より低いのに、遠くから見ても異彩を放つ台形の山である。昔から現地の人のみにとどまらない勢いで信仰を集めていたようだ。当然のごとく皆神山には皆神神社があるのだ。

信仰を集めるには、信仰を集め続ける偶像としての説得力が不可欠だと思う。存在感の不思議ささえあれば、ストーリーは後からついてくる。そういう意味で皆神山は、多くの人の信仰心を満足させ続けた山であるといえる。皆神山のそういうところに、自分は父性のようなものを感じる。ついていきたくなるような、決して超えることのできない父の背中のような印象を受けるのだ。周りの山から浮きながら奇妙な魅力のある山であり続けた皆神山に、シンパシーのような感情を抱くのだ。

長野はもっと皆神山を推してもいいと思う。皆神山利権でもあるのだろうか。そういった生臭い利権みたいなのはあまり好きではないので、これからも皆神山は遠くから見て、自分の信仰心だけを注いでいきたいと思う。