ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

しねま

人生の昇華とはなんだろう。自己は自分の人生を鑑賞している、たいていの場合は唯一の観客だ。自分が退屈する展開には手を抜いてもいいんじゃないだろうか。 劇の終わりは単純に死だろうが、いつ終わってもいいようにしておくべきだからだ。終わり方は自分ではなかなか選べない。犬死にすることも考えて過ごさなければならない。目的をもって生きるというのはなんて無謀なことなんだろう。犬死にしてしまったらまったく意味が変わってきてしまうではないか。

 自分の人生は今の所輝いている。自分に理解できる展開で、主人公には共感できるし、間違ったことは何もしていない。周りに理解されないというありがちな設定だが、本人に悪意や取り返しの付かないような愚かさがないので、「俺だけはお前の気持ちを分かってやれるよ」という気持ちで鑑賞できる。これから新しい展開が訪れて、主人公の心境に変化があるかもわからないが、明日突然死んだとしても他の登場人物よりは訴えかけていたものがあったと言えるだろう。

 映画にはそれぞれ違う倫理観、時間の速さがある。すべての映画に共通するのは始まり、終わることだ。映画たちは人生は美しいと言ったり、馬鹿馬鹿しいと言ったり、悲しいと言ったりしている。れる