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ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

呼ぶ声

 久しぶりに腰にくる仕事をした。少しは社会復帰のリハビリになっただろうか。汗をかきながら田んぼの真ん中でよっこらよっこらやっていた。

 普段はそんな作業なんてしないので、1時間動いたら10分は休憩しないとやっていられない。休憩といっても「ゆっくり腰かけて一息」というタイプのものではなく、雪崩れ込むようにあぜ道に倒れるという趣向のものだ。畑の真ん中のあぜ道で視界を虚空でいっぱいにしていると落ち着くが、落ち着いてくると「○○さん。○○さーん。」と受付から呼ばれるんじゃないか、という気がしてくる。畑の真ん中に受付なんて当然ないが、そんな幻想に襲われるのだ。同級生に「○○くん!」と呼ばれるような、祖母に「○○ちゃーん」と呼ばれるような、強迫観念というと仰々しいが、そんな幻想だ。なまけるのは大好きだが、なまけると必ずといっていいほど誰かに呼ばれそうな気がするのだ。そんなことはないと思うが、誰かに呼ばれたいから俺はなまけるのが好きなのかもしれない。