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ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

ぶどうとりんごの間の道

 小学生の頃の知り合いを見かけた。非常に真剣な表情をしていて、「入院している親族の状態が悪化している」という知らせを受けたような雰囲気だった。しかしそこは農道で、畑に用事がないと通らないような道なのでそれはありえない。近所に病院もない。

 彼は昔から1人になるとそういう表情になっていた。そういう様子を見ると、他人に理解される必要のない性質のドラマの主人公になりきっているのではないかと、自分は思ってしまう。彼とたまに遊んだりしていた頃のドラマはもう自分の中では終わっている。進行しているときは自覚していなかったが、今振り返るとそう思う。終わった瞬間もなんとなくいつ頃かわかる。今のドラマも終わる時は来ると思う。それが死ぬ時なら嬉しいと今は思う。