ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

階段

階段を降りる瞬間、降りる先に段がある前提で体重を移動していることに気付いた。アホだと思った。段がなかったらどうするんだろう。最悪死ぬが。人間のまぬけさを再確認した。

ありばい

歌川国芳展に行きたいのだけど、決定打にかける。なにより時節が悪い。たとえば今が真夏なら美術館の中は涼しいだろうから「涼みに来ただけだ」と言い訳が出来る。真冬でも同じことは言える。今美術館に行ったら空調は効いているのだろうか。自分のイメージ…

無能

記号、言説、他者、事象、字義

腸がこぼれる

なんでか分からないが下腹部右側が裂け、手で押さえていないと腸がこぼれる格好になってしまった。腸には傷がなく痛みがないのが不幸中の幸いだが、このままで生活するのはどう考えても不便だ。押さえる為に片手が常に塞がってしまう。 両手を使う時、例えば…

応急欺瞞

それくらいの欺瞞なんとかなるって。順序立てればそりゃ欺瞞だけど野に放てば案外馴染むって。むしろその欺瞞で悩ます良心が欺瞞だって言われかねないご時世だって。ごまかすと思うからいけないわけで、それをごまかすことだとも思わずに生きてるやつがいっ…

事実

今、目の前で転校生が血まみれで死んでいる。転校生と呼んだが、こいつが転校生だったことは今思い出した。要するに他所者だ。この村のしきたりを知らなかったのだ。 そのしきたりというやつも、率直に言って今思い出した。たしか小学校の頃に社会科で村の賢…

本音建前

どうしたって説教してみたくなることがある。これはもしかしたら怠け者特有の振る舞いなのかもしれない。自分が変わるのはあまりにも面倒臭すぎるから、他人を変えていきたい。 面倒臭いというのも難しい。建前では「なぜ世界がおかしいのに俺が変わらなけれ…

めゆ

「ここが近道なんだよ」と言われてついてきたけど、なかなか雰囲気があっていい道だな。色んな畑の間で自然がいっぱいなのだが、森なんかと違って完全に人の手が加えられ尽くしている感じがなんともいえない不思議な雰囲気を醸し出している。畑に欠かせない…

ふげ

僕は時折幻聴を聴く。悩まされているというほどではないが、大袈裟に言えば歯に何か挟まっているようなスッキリしなさを常に抱えて過ごしている。とはいえ生活に支障をきたすようなレベルの騒音では当然なくて、簡潔に言ってしまえばたまにカウベルの音が聴…

ゆーめ

有名な、滝が見える露天風呂がある。 その滝は岩場の亀裂から落ちている。その亀裂の中は聖地とされ、選ばれた者だけがそこで祈ることを許されている。 修学旅行で来た僕たちはその荘厳な滝を見ながら露天風呂でプカプカしている。露天風呂の方はほぼ温水プ…

正義

自分の人生には瑣末なトラウマが沢山あるのだが、中学時代にもちょっとしたトラウマが複数ある。そのうちの1つに掃除の時間の出来事がある。 率直に言ってエピソードというほどのものでもないのだが、自分はふつうにまじめに掃除しているのにサボっている女…

差別

差別意識の正体はなんなんだろうか。差別に反対する人は「確かに存在する」「絶対的な悪」と思って喧伝しているが、差別の正体を考察している人は見たことがない。 他人の発言に差別意識を感じる瞬間はたしかに存在するが、それがみんなが取り除こうとしてい…

キャサリン

近所の団地の中で昔友達とよく遊んでいた。そこにはたまにキャサリン?アリス?ジェニー?みたいな感じのあだ名で呼ばれている女性が出没していた。 彼女はゴスロリ服に身を包んだ100キロは超えてそうな160cmないくらいの20代前半くらいの女性で、いつも日傘…

土手猫

道を渡って土手の方に行こうとしている猫がいた。渡りはじめていたのだが、自分の運転する車が通ったせいで元の茂みに引っ込んでしまった。自分はそのまま少し走ったところに車を停めたので、猫が土手に行くのを期待してずっと後ろを見つめていたがいよいよ…

あ、あー。ここはもうそういう場所で確定完了なんですね? 私は生まれた頃からおばあちゃんから、ここは「◯△◻︎」という地名だよって聞いてて、キレイで可愛いなぁって、ステキだなって思ってたんだけど、結局いじめっ子達の言う通りだったんですねえ。 しか…

山海

今そこそこの尿意を催している。実際にはしないが立ちションがしたい、野に放ちたい。なぜかは分からないがこんなに野に放ちたい尿は初めてなので記念に我慢している。そしてついでなので久しぶりに考察している。 自分は山に囲まれて育った人間なので、理想…

資本主義

「あのさ〜、まだ始めてないわけ?」 「は、はい」 「あんたいくつ?もう30になるんでしょ?」 「27です……」 「一緒でしょ?そんな歳にもなってね〜。周りはもうみんなもうやってるでしょ」 「ま、まあ大体は、そうですね」 「ほら〜そうでしょ?あんたもい…

成立

自分の身の回りにはこどもの頃から「成立している」事柄がほとんどなかったような気がする。田舎ではありがちなことだと思うが万事が済し崩し的であったり、惰性や妥協の産物だった。 「世の中そんなもんだ」と思う人もいるかもしれないが、それは現状に満足…

ゆめ日記

さきほど僕が歩いている土手の下を覗いてみたら大きめの蛇が這っていた。近付くわけなんてないが、おそらく僕はあれに勝てないだろう。あの堂々とした這いぶりからして、毒とかの勝算を持っているに違いない。 人間に出会えることに期待なんてしていないんだ…

僕アンチ

僕の中には別人格が1人いる。僕はそれを中学生の頃に見つけ、『僕アンチ』という名前を刺されにつけた。 名前をつけたのは中学生の時なのだが、小学生の頃もそいつはいた気がするし、いつからいたのかは定かではない。もう中学校も高校も卒業したが、僕アン…

反面女教師

朝だ。僕の朝を告げるのは引きこもりのA子さん(19)だ。彼女は夜は寝ない。彼女に起こしてもらうと夜しっかり寝ることの大切さを毎日噛みしめることができる。 朝食の時間は拒食症のB子さん(25)に報せてもらう。健康な食事というのは大切だ。 出勤の時間は発…

家の渇き

僕の友達のKくんにはパパがいない。Kくんのママを半ば強引に故郷から連れ出して、KくんとKくんのお姉ちゃんが生まれてからどこかへ行ってしまったらしい。Kくんのママは怒ると怖いけど基本的には優しい。いつも「Kと仲良くしてくれてありがとうね」と僕に言…

まずい料理屋

あんな店だれが行くんだ〜って言ってたけど、実は僕ああいう店行くのが好きなんですよ。ああいうボロボロでいかにも不味そうなご飯屋さんね。しかも穴場を探してるとかじゃなく、不味い方が嬉しいんです。だって、まあもうここからは変な話なんですけど、美…

家裁判

私ね、こんな風に電車の窓から外を見てると信じられないな〜って思うんですよ。この家並み全てに持ち主がいて、これを建てた人たちがいるんですよね。信じられないな〜って。 いくら私が信じられないって思ってもこうして証拠は並んでるんですけどね。そうな…

童貞

「愛してるって言ってくれたら私はあなたのものよ」って言われてるようなもんだけどなんでそんな事しなきゃならないんだ。俺は実際は愛してるかもしれないけど、愛してるなんて思ったことはないしそんなことを口に出すのは軽率な印象を受ける。 「女にそこま…

人間ごっこ

なぜ自分は芸術が好きなのだろうかと考えた結果、優れた(と自分が感じる)芸術が優れた人間ごっこだからという気がした。 自分は人間ごっこをしている。自分の意志、欲望、本音に従って生きたら、多分自分は人間社会で生きていくことはできない(そしてそうい…

苦しみテスト

「お前、またきたのか。今度はどんな見当違いを持ってきたのか、こちらももう見当が付かないぞ。」 「まあまあ聞いてくださいよ。持ってきましたよ新しい苦しみ。」 「どんなものだ。聞くだけ聞いてやろう。」 「どんなものって言うのはちと難しいんですがね…

満月

満月の夜は脱皮する。古い皮膚が邪魔でしかたない。張り詰める古い皮膚。ところどころ隙間から新しい皮膚が見えてる。そういうところに限って痒い。しかし搔けない。掻くとボロボロと古い皮膚が散らかって不潔なのだ。あくまで自然に、服を脱ぐように剥がせ…

許されない卒業

1つのコンテンツに長い時間を捧げるのが基本になってきているように感じた。中学生で好きになったようなコンテンツをいつまでも好きな人をたくさんネットで見かけたからだ。それが悪いことだとか言うつもりはないが。「中学生とか高校生で好きになったもの…

嗚咽

生きる力がない能力が本当にない。甘えてる気質が治らない。まず病院に行って毎日無理やり寝れる薬をもらって規則正しい生活を矯正して、体力をなんとかして付けてようやくスタートラインに立てる。今の自分はスタートラインにも立てていない。現実問題生き…