ほかほかしっとり

思ったよりほかほか

アビリティ

「この街の人間は空っぽな大人ばかりだ……」
「おい」
「へ?だれ?」
「街でくくるな。そうなると俺も入ってくるから。俺に対する悪口は全部察知できる能力持ってるから。十把一絡げにされて空っぽって言われたらまあまあ傷付くから。気をつけて」
「はあ……」

満足しない女

ネットの女たちがなぜ病んでるアピールをするのかが分からなかったがさっき分かった。

病んでるアピールは往々にして「それなりに幸せな生活ができている」こととセットで行われることに気がついたのだ。

要するに「私はこの程度の水準に達することはできている(世間的には見てある程度勝っている)が、それに満足はしていない」という意思の表明なのである。

「彼氏がいて」「趣味が充実していて」「ブランド物もある程度持っていて」「自分磨きもしている」一見普通の女の子が幸せだと言い張るのには十分なように見えるが「その上で自傷的な行動をとる」ことにより、「そんな普通の幸せでは満足しないワンランク上の女」の称号を手に入れることができるのである。

「100で満足している」は「1000で満足している」に勝てないないが、「100で満足していない」なら「1000で満足している」人間よりも上位のポテンシャルを秘めているかのように見せられるというわけだ。

この戦術は際限がない。1000で満足しない女よりも10000で満足しない女の方が強いに決まっている。どんな高みに達しようとそれは常に己のポテンシャルの下限なのである。

また、稀に「100で不幸」という戦術をとる人を見ることがある。世間的に見れば100なんて十分幸せに見えてしまうため、彼女はいかに自分が真正性のある不幸であるかの証明に腐心していることだろう。それが証明できれば現状が100だとしても「100で満足しない女」よりも上のポテンシャルを誇示できる。

おえつ

人間が人間を裁くシステムが分からない。法律があればまだマシ、打算的な他意があればそれでもマシ。分からないのが「あの子は一生懸命頑張ってるから」みたいな道徳的優劣の主観的な判断によって贔屓したりしなかったりするやつだ。お前はそいつの何を知ってるっていうんだ。まあそれが表向きの体裁で、実は打算的な事を隠すための隠れ蓑だったりもするのだが。

褒められたりするのも嫌いだ。意味が分からない。「褒めてほしいんだな」と判断したときにのみ褒めてほしい。褒めてほしい時が一切ないわけではないと思う。でも褒められなくても問題はないから迷ったら褒めないでほしい。

なんなら感謝もされたくない。もし感謝の気持ちが湧いてきたなら、それで十分すぎる。お釣りがくる。伝えなくていい。

義務

わはは、わはは。

死にたいが、社会的義務を全部果たしてきたぞ俺は。何がしたいのだろう。要約すると、お金を払い、お金を払い、お金を払ってきた。払わないと咎められるやつだ。払いに行く前は死にたくて、払い終えた今も死にたい。ちなみにこの死にたさとお金を支払うことには因果関係はない。純粋な存在価値的な話だ。

しかしどういうわけだ。面白いではないか。笑えるではないか。なんで生きてるのかも分からないのに社会的義務なんて果たしているんだ俺は。何がしたいのだろう。

わはは。

シュレディンガーのたこ

初めてタコ🐙をら見たとき、その存在を見たくなかった。関西人のコントなら目を逸らしながらタコ🐙を押し退けて「もうええって」「もうええから」と言った事だろう。タコ🐙が実在するかしないかフンワリした世界で生きていたかった。自分にはそういうところが今でもあると思う。現状維持をとにかくしていたい。タコ🐙が実在するかしないかフンワリした世界とタコ🐙の実在が確定している世界がどれほど違うのかは分からないが、そういう問題ではなく嫌なのだ。今の問題なく見える世界が変容してしまうことが。オクトパス🐙エフェクトとも言えるかもしれない。その変化がドミノ倒しでどんな悪影響を及ぼすか分からない。それが自分にとっては何よりも恐ろしい事の1つなのだ。

なぞのゆめ

ちょうどだったらしく、渡しの役目を引き継いだ。否応なしだ。非常に憂鬱だ。細かいルールに疑問を抱いている暇もないが、疑問を抱けばおかしいことだらけだと思う。しかしそんなことはどうでもよくて、とりあえず早く次に引き継ぎたい。

敢えて言うならおかしいこと筆頭としては、この渡しを利用する全員に「◯◯なポケモントップ3」のアンケートをとることが義務になってることだろう。◯の中身は毎回自分で考えなければいけない。毎回同じでもいいのかもしれないけど、なんとなく毎回変えている。全記録の保存は義務になっている。意味不明だ。

今はGWなので、この地下の渡しの利用者は非常に多い。自分は難儀な時に引き継いでしまった。1日に15回は地下に来た学生を船に乗せてアンケートに答えさせつつ向こう岸まで連れて行ってる。今はGWも始まりたてなので、学園側から外へ向かう往路の利用者ばかりだ。

まだ2日目が終わったのみだが、非常に疲れる。なによりずっと地下は気が滅入る。意識がずっと朦朧としている感じがする。いつ次に引き継げるのだろうか。それもまあ時が来ればきっと自然と分かるのだろう。そんな風に思考を放棄し、僕は貪るように睡眠に入る。